カメラのお話

■カメラの基本■
今のカメラはAF(Auto Focus;自動測距)、AE(Auto Exposure;自動露出)、AWB(Auto White Blanace;色調の自動調整)が基本となっている。自動化が進む中、カメラは身近な存在となったが理論が意識されなくなってきた。そこでここでは基本的なカメラの仕組みを説明したい。フィルム・デジタルは関係ない。

1.シャッタースピード

露光をどのくらいやるのかを示す。単位は秒。1/250秒なんかが標準的。シャッタースピードを変えることにより動体の動きを表現できる。


1/400秒
高速で移動する新幹線を止めた。

1/4秒
比較的スローシャッターで滝を筋状に収めた。スローシャッターはとにかく手振れに注意するか三脚を使うこと。

2.絞り

A.絞りとは簡単に言うと光をどのくらいカメラの中に入れるのか調整するためのフィルターの様なもの。光を受ける量を大きくすることを「絞りを開く」といい、少なくすることを「絞りを絞る」という。

B.また絞りは光の量を調節するだけではない。ピントが合う範囲も調節する。このピントが合う範囲を「被写体深度」という。絞りを開くと、被写体深度が浅くなる。つまりピントが合っているところ以外はボケている写真となる。また絞りを絞ると被写体深度は深くなる。つまり全体的にはっきりする写真となる。

※一口メモ シャッタースピードと絞りの関係

このふたつの関係はよく水道の蛇口にたとえられるがここでも使わせてもらおう。
風呂にお湯を張るとする。
1.お湯をたくさん出して短時間に満タンにする。
2.お湯を少しずつ出して長い時間をかける。

1の場合はお湯がすぐに満タンになる。2の場合は満タンになるのに時間がかかり、お湯も冷めてしまう。

カメラに置き換えるとお湯の出す量は絞り、かける時間がシャッタースピード。
つまりシャッタースピードを早くして絞りを開くのと、シャッタースピードを遅くして絞りを絞るのとは同じ光の量を結果的には得ることはできるが、シャッタースピードを遅くしてしまうとその間に被写体が動いた量や手振れの量が増えてしまい、写真が乱れてしまいやすい。

3.フォーカス

ピントのことである。理論上、ピントは画面上の1点にしか合わない。しかし絞りを調節することによって全部にピントが合っているように見せかけることが出来る。絞りによってピントの合う範囲は変わってくるがそのことについては上に記している。ピントの合っている場所の奥側は手前側よりもピントが合っている状態に近いという法則も覚えておいて欲しい。つまり手前にピントを合わせ後ろをぼかすよりも、手前をぼかして後ろにピントを合わせたほうが簡単である。もうひとつの法則もある。レンズの広角側のほうが望遠側よりも全体的にピントが合いやすいということ。(つまり広角側のほうが被写体深度が深い)これも頭の中に入れておいて欲しい。

【カメラの法則】
1.絞りを絞ると被写体深度が深くなる。絞りを開くと被写体深度が浅くなる。
2.ピントはピントの合っている物体より後方が合いやすく、前方がボケやすい。
3.レンズの広角側のほうが被写体深度が深い。望遠側は浅い。
4.距離が遠くなるほど二つの物体のピントは合いやすい。



■カメラの詳細設定■
1.ホワイトバランス

通常はオートであり、それでも良いのだがその日の天気に合わせて設定した方がより正確な色合いが表現できる。人の目は非常に高性能で正確な色合いを把握しやすいので普段は気にしないがカメラはそうではない。通常、白を基準に色調を決める。ただし曇りの日や夕焼けは白が白ではなく、曇りは青み掛かり、夕焼けは赤み掛かる。そのためプリセットのなかにある設定なんかでその日の天気に合わせると綺麗に撮れる。

2.ISO感度

フィルムの感度を表す。ISO感度が大きい方がフィルムの一つ一つの粒子が大きくなり暗い状況でも光を感じるがそのかわりに写真が荒くなる。デジカメでもノイズが増える。ISO感度の増加によってノイズが増えるのがコンパクトデジカメの弱み。ISO感度を上げるのは非常時にしよう。

3.露出補正

-2.0、-1.7、-1.3、-1.0、-0.7、-0.3、±0、+0.3、+0.7、+1.0、+1.3、+1.7、+2.0とある。
自動的に露出度合いを決める場合にその基準を変えるためのもの。設定するとカメラがその明るさに合った自動的にシャッタースピードと絞りを決めてくれる。曇りの日など明るさを犠牲にしてブラさないための時などに便利だ。

4.測光モード

多分割測光は画面全体を平均的に測光、部分測光は画面の何割かを基準に測光、スポット測光は画面中央の数パーセントのみを測光。鉄道写真にはあまり使わない。逆光時なんかにスポット測光を使う。

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